酵素に注目!

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ご存知ですか?酵素の働き

酵素って?●体内の「酵素」が傷ついた細胞を修復し、異物を排除する

「酵素」とは、生命を維持するのに欠かせないたんぱく質の1種で、発見されているものだけで5,000種類~10,000種類あるといわれています。
「酵素」は体の中で、食べたものを消化吸収するのはよく知られています。
もう1つ、大事な働きがあり、体の異物を排出したり、傷ついた細胞を修復する働きをします。

●体内酵素が多い若者は元気で肌もツヤツヤ

酵素は年齢とともに減少
老化や病気と酵素は大きな関係があるといわれています。
体内酵素は40歳を過ぎるとだんだん減少していきます。

●家の建築に例えると…

「ビタミン・ミネラル」は【道具】(トンカチやノコギリ) に、
「炭水化物・脂肪・蚤白質」は【材料】(木材やくぎ)に、
「酵素」は【大工の職人】に例えることができます。

つまり立派な道具や材料が手に入っても、大工さん(酵素)がいないと良い家は建ちません。酵素も大工さんの様な存在です。

また、酵素類を分類すると
「分解系酵素」 (例えば歪白質を吸収できる大きさのアミノ酸にまで分解する)
「合成系酵素」 (吸収したアミノ酸を使い自分の身体に必要な蛋白質に合成するなど)に分けることができます。

●体内酵素を無駄使いするとき

貴重な体内酵素。できれば無駄使いしたくありません。でも、次の場合無駄使いをしていることになります。

 

1

動物性たんぱく質、揚げ物など油もの、
バターや砂糖の多いスイーツ、加工食品など添加物の多い食品を食べる。

→これらは消化しにくく、たくさん体内酵素を使うことになります。

2 お腹いっぱい食べる。
→1と同じく、消化吸収する量が多いので、体内酵素をたくさん使うことになります。

3 低体温
→酵素は37~39度で活発に働きます。体温が36度~37度では、体内は酵素が働きやすい温度になっていますが、35度台では酵素は働きにくく、体を健康にしようという働きが弱まってしまいます。
4 ストレスの多い生活 
→ストレスが多いと、血液の流れが悪くなったり、細胞が傷ついたりする機会が増えるので、
体内酵素を多く使うことになります。

5 この他、睡眠時間が短いことは、体にはダメージを与えます。
→消化吸収の働きがない、眠っているときに体内では、細胞の修復などを行っています。
睡眠時間が短いと十分にそれらの働きができません。

 

●野菜の酵素を摂って、体内酵素をサポート

体内酵素に代わるものは、残念ながら作ることができません。
でも、体内酵素を大事に、効率よく働かせ、健康や美容に生かすことはできるのです。
まずは、消化吸収する酵素の働きを軽くすること。
それには、腹7~8分目に食べる、よく噛むこと。
また、消化しにくい上記の1.2.の食品を少なくすることです。
また、植物には自らを消化しやすくする植物酵素が含まれているので、野菜や果物をたくさん食べるのはおすすめです。ただし、この場合、「生」でたべましょう。
47度以上の熱を加えると、食物酵素の多くは壊れてしまいます。

発売されている「酵素」は多くが熱処理され、食物酵素は含まれていません。
ただし、多くのビタミンやミネラルは含まれています。酵素が働くには、ビタミンやミネラルが欠かせないので、市販の「酵素」は健康美容をサポートします。

●何を食べるか?は健康美容にとって大きな問題

「酵素」に注目していくと、食べたものが健康美容を大きく左右することがわかってきます。
特に酵素が減っていく40才以降は、食生活について正しい知識が必要です。

「植物酵素」をたくさん摂ることに着目した食事法に、「ローフード」があります。
野菜のジュースや生野菜をたくさん食べる食事法です。
体を陰と陽に分け、中庸(真中)が良いとするマクロビオティック。玄米菜食を摂ることで有名です。
また、ドクターのなかでも、このような食事法を中心にして病気を治している方も、増えてきました。

 

食物の「消化・吸収」の新事実

(食物の「消化・吸収」の新事実がわかった!~健康の輪 2013年 22号より)

1.消化されやすい物質は小腸で吸収される

 ヒトがものを食べるとは、結果としていうならば、高分子のものを低分子化し、最終的には「小腸で吸収されるサイズ」にして、腸管から血管(門脈)に取り込んでいるということになります。
もちろんその間、口で咀嚼し、胃や小腸を経由し、体の消化酵素による分解などが行われます。同時に食品中の酵素なども最大限利用されて、栄養分の摂取・消化・吸収という全システムが働き、体のなかの「いただきます」から「ごちそうさま」までが完了する仕組みになっています。

 たとえば、デンプンという高分子は、ブドウ糖(グルコース)がたくさんつながっている多糖体といわれるものです。それはブドウ糖単体とは異なる性質をもっており、顕微鏡などで見ますと、ブドウ糖単一では見ることができない「デンプン粒」と呼ばれる粒のようなものを見ることができます。
私たちが米や麦、芋などを食べると、まず口のなかに、このデンプン粒が飛び込んできます。そして、咀嚼と同時にこのデンプン粒の分解が始まっていくのです。
消化過程のなかでは、唾液アミラーゼや膵液アミラーゼなどにより、さらに分解が進み、最終的には、膵液と腸液に含まれるαグルコシダーゼにより、ブドウ糖にまで分解されて、すべて小腸から吸収されてしまいます。

 また、私たちの体を構成しているタンパク質も、アミノ酸と呼ばれる分子が、何百、何千とつなぎあわさってできている高分子の集団です。
たとえばヒトの場合、皮ふ、爪、筋肉、血液などは主にタンパク質で構成されており、基本的に20種類のアミノ酸の組み合わせでつくられています。
これらタンパク質(たとえば肉)は、消化過程のなかでは、「プロテアーゼ」というタンパク分解酵素によってアミノ酸に分解されて、最終的には小腸から吸収されていきます。小腸から吸収されるのは、アミノ酸が1個から3個までのサイズのものです(2個がジペプチド、3個がトリペプチドといいます)。
つまり、消化・吸収とは、かなり大きな分子のかたまりを各種の酵素反応によって分解して低分子化し、小腸の腸管から吸収しやすくしているのです。

2.消化されにくい物質(難消化性物質)は大腸で利用される

 食べ物のなかにも、私たちの体が消化できないもの、つまり、難消化性といわれるさまざまな物質があります。
たとえば、セルロースなどの食物繊維や一部のオリゴ糖などは、小腸で吸収されず大腸にまで達します。これら大腸に達する難消化性の物質の働きとして、まず食物繊維は便通をよくするなどして腸内環境をととのえたり、発ガン性物質を吸着して体外に排出する働きなどがよく知られています。

 さらに、食物繊維やオリゴ糖は、大腸内のビフィズス菌や乳酸菌などに利用され、これらの細菌の増殖に役立つとともに、彼らがつくり出す短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸)や、ビタミン類を産生してくれることになります。
ちなみに、酪酸はバターやチーズに含まれていて、酢酸は食酢の主成分として利用されている物質です。
近年の研究では、動物の大腸の機能は、この短鎖脂肪酸から得られるエネルギーによってまかなわれていることが明らかにされています。大腸内でつくられたこれらの短鎖脂肪酸は、ヒトの場合も大腸から吸収されエネルギー源として使われていくことが考えられます。

 さらに重要なこととして、これらの短鎖脂肪酸は、大腸粘膜の働きを高めたり、大腸の炎症を緩和する抗炎症作用など、すぐれた生理効果を発揮することが、近年の研究で明らかにされています。
たとえば、マウスを用いた実験で、ビフィズス菌が産生した酢酸が腸管の上皮細胞に働いて、病原菌などの感染に対する抵抗性を高めることなど、たいへん興味深い報告もされています。

 先ほども述べましたが、小腸で利用されなかった食物繊維などは、いったんは、大腸の腸内有用微生物にエサや環境として渡されて「発酵」が行われます。ヒトが食べる(消化・吸収)のではなく、ヒトの大腸にすむ微生物が食べて(発酵)、彼らの生命現象としてつくり出してくれるものを、ヒトは水分やミネラルといっしょに大腸から吸収しているのです。

 また、微生物の発酵によって、大腸のなかではさらに数多くのものが生成されていることはまちがいありません。
少なくとも、大腸をもつ生物であれば、腸内の微生物を養い、その恩恵をいただくことで、口から摂取したものを無駄なくエネルギーとして利用しているのです。これが大腸における「発酵・吸収」という考え方となります。
小腸で得られるものと、大腸で得られるもの、つまりこの二方向からのエネルギー獲得を日々行っていることになるのですから、いわば「二重の消化吸収システム」をもっているといってもいいかもしれません。

短鎖脂肪酸の働き

3.草食動物のエネルギー確保は微生物に支えられている

 ちなみに、「ルーメン」という消化器官をもち、反芻する草食動物は、体のなかに発酵タンクをもっているようなものです。
彼らは、そのなかで牧草などの繊維質を発酵微生物に分解してもらい、その微生物が生産してくれた栄養成分を獲得しているという構図になっています。

 草食動物を食べる肉食獣は、まず草食動物の腸の中身(半発酵状態の植物)を食べてから肉を食べるのはよくいわれていることです。彼らはそのような方法で、植物性由来の栄養成分を補給する必要性があるからなのです。
これは、われわれヒトも含めた雑食動物においても同様に、大腸の必要性はとても大きいものであることを物語っています。発酵食品のなかも消化器官のなかも、共通した微生物の世界です。これらは原始の姿そのままであり、その活動においては多くの共通項が存在しています。

短鎖脂肪酸の働き

 体の外の「食」という世界にある「発酵」と、小腸・大腸のなかの細胞、もしくは、腸内微生物とは、基本的につながりあっている世界にほかなりません。なぜなら、「食」を通じて、食物連鎖の鎖でつながりあっているといってまちがいではないからです。
その意味で、生存の頂点に立っている人間といえども、原始の微生物たちの営みのうえで生活しているという現実を忘れてはいけません。彼らの営みがなくなれば、ヒトも生存はできないのですから…。


【大腸での栄養吸収について】

●難消化性成分(食物繊維・オリゴ糖)を、大腸内細菌が嫌気発酵を行うことで、
短鎖指肪酸(酪酸・酢酸など)やビタミンを生成。

●短鎖脂肪酸が大腸組織のエネルギー代謝を担い、余剰分は全身組織のエネルギー源となる。

ウマ:草食動物では、大腸で生成された短鎖指肪酸が主要なエネルギー源。

ヒト:低カロリーで、食物繊維の豊富な食生活を送っている場合は、大腸での発酵で生成された短鎖指肪酸が重要なエネルギー源となっている。

 

4.植物エキス発酵飲料と最終的な消化・吸収システム

 さて、これまでのお話を踏まえ、微生物の発酵によって造られた植物エキス発酵飲料に含まれている主な成分について消化・吸収の面からとらえてみましょう。

 吸収されやすい低分子物質としては、単糖類、抗酸化物質、乳酸や酢酸、ミネラル、アミノ酸などが含まれています。
ブドウ糖や果糖などの単糖類は小腸で吸収され、ただちにエネルギー源として利用されます。抗酸化作用をもつポリフェノール類として、コーヒー酸やクロロゲン酸なども含まれていますが、これらは小腸で吸収されます。

 発酵飲料はPHが3~4と酸性の液質ですが、これは発酵によってつくられた乳酸や酢酸などが含まれていることによります。これらは多くの発酵食品や発酵飲料に含まれていることでおなじみの物質です。乳酸発酵によってつくられる乳酸は、ヨーグルトなどを代表とした健康食品に利用されています。

 一方、酢酸はさまざまな機能性をもつことが知られており、カルシウムを溶けやすくして吸収を促進することから、いっしょに摂取することでカルシウム不足による骨粗しょう症の予防に役立つといわれています。そのほか、疲労回復、肥満予防などの効果があることも知られています。

 消化されにくい物質として、酵母や乳酸菌の細胞壁成分や種々のオリゴ糖があげられます。
酵母の細胞壁の構成成分であるβグルカンは、私たちの体の消化酵素が働かず分子量が大きいため、小腸では吸収されずに血液中にも移行しません。
しかし、粒子サイズが小さくなったものは小腸のパイエル板に取り込まれて腸管免疫系を刺激し、結果として、免疫力のレベルアップにつながっている成分です。

 大高酵素植物エキス発酵飲料においては、発酵に伴う酵母が死滅しオリとなって沈み、細胞の自己融解を起こして蓄積される成分であって、発酵というシステムのなかで得られる貴重な物質といえるのです。
また、オリゴ糖については、既知のものや新規のものなど種々のものが含まれていることが明らかになっています。そのなかのいくつかのオリゴ糖はビフィズス菌や乳酸菌の増殖因子として働き、さらに、これらの菌によって酢酸などの短鎖脂肪酸を生成することがわかってきました(大高酵素研究所未発表データ)。

 くり返しとなりますが、大高酵素の植物エキス発酵飲料には、小腸で吸収されてしまうものと、小腸で吸収されずに大腸まで届けられるものが含まれているという特徴をもっています。
この難消化性物質の大腸における発酵が、結果として健康維持に寄与していることが明らかになってきた今、「腸内微生物酵素」の働きを、私たちは無視することができないのです。

 象や牛といった草食動物たちは、草を食べてあの巨体をつくります。その仕組みは、消化器官にすむ微生物たちが担っています。
雑食である人間の大腸にも、そのシステムの一端が受け継がれていることは、これまでのお話で充分ご理解いただけたかと思います。
食品の発酵と大腸内における発酵の関係は、じつに深いものであり、こうした事実は最終的には、「食」にある「酵素」という物質の働きが、腸内の細胞の働きや腸内微生物の働きと、密接に関連しているという事実を、浮かび上がらせてくれるものです。

 

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理想的な消化

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植物エキス醗酵飲料が身体のためになる理由

 

はじめに

生命あるところには、必す[酵素=エンザイム]が存在します。食物酵素類や腸内微生物のもつ酵素類の重要性、そして、体内の代謝酵素類の重要性が、日増しにクローズアップされています。これらの[酵素=工ンザイム] は、何らかの相互関係があることが各方面から注目され、今日では「健康・ 生命」を考えるとき、その不思議な働きを持つ物質[酵素=工ンザイム]の存在を無視することができなくなっています。 しかし、[酵素=エンザイム]に関しては、研究者の間でも混沌とした面があることは否定できません。まして一般社会では、誤解されたままの知識や考え方がまかり通ってしまっているのが実情のようです。

病院のいらない野生の世界…

生まれて間もない幼い子象は、授乳とともにやがて、母象の糞に興味を持ってそれを口にするといいます。ちゃんとした母象の糞には、象の世界にとってちゃんとした腸内微生物バランスが存在しているからです。まだ腸内微生物バランスの不安定な子象にとっては、生きていくうえでとても必要な行動なのです。犬など他の動物も同様の行動をとることがありますが、彼らは動物の本能によって、 腸内微生物とその酵素の重要性を感じとっていたからに他なりません。
ある生きた食材を食べ、なお且つ、腸内微生物のバランスを安定させ、その微生物酵素の働きをも摂取していく、それが野生の食性であり生き方でした。 だから野生には、病院がいらなかったのかも知れません。

失われていく生命力の要因は、やはり深刻な酵素不足?!

人間やペットの様々な健康調査結果から分かってきたこ とは、[腸]の機能性が著しく弱体化しているという現実に他なりませんでした。腸粘膜・腸内微生物の状態が悪化し、腸管免疫力が弱体化し、腸漏れを起こしている状態、 つまり[腸管浸漏症候群=LGS(リーキー・ガット・シンドローム)]を生み出すまでに至っています。読んで字の如し、ガット(腸管)から漏れ出すという病名ですが、東洋医学では腸を気力の源と考えていますので、「気力をもってガ ンバル」という意味の「ガッツ」が、漏れてしまうと解釈してもあながち間違いではありません。アレルギーや生活習慣病が急増していることや、難病・奇病が多くなりつつあることも、その影にはこのLGSの存在が疑われるようになってきました。

原因に考えられているものは、「生命ある食べ物」の不足や有用腸内微生物の激減、つまりは、食生活のなかの深刻な[酵素]不足と、[酵素反応]を脅かす危険な化学物質や抗生物質などの存在でした。生食や発酵食品の摂取機会が減っていることが、生命と直結する物質である[酵素]の不足を招いてしまっているのです。そのことは、生命の歴史のなかで、膨大な酵素反応を利用し機能してきた『腸』 に対して、結果的に多大なダメージを与えてしまっていま した。この事実に、いち早く気が付かなければならない分 岐点に、私たちは今立たされているのです。

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[酵素]と[発酵]と[生命]の関係 必要不可欠な物質…[酵素=エンザイム]

生命あるところに必ずある物質・・・、その反応が失活してしまうと、直ちに生命活動が停止し、それは死を意味してしまうもの・・。

酵素=工ンザイムとは

物質としての特性

生命現象を側面から見ると、ある種の生物化学反応であることは明らかです。人間もそういう意味では、巨大な生物化学工場であるといえるかもしれません。その中心に位置するものが、[酵素=エンザイム]と呼ばれている物質です。[酵素=エンザイム]とはタンパク質でできていますが、極めて特異な性質を有しているだけに、ただのタンパク質ではありません。ではその大きな3つの性質をあげてみましょう。

1.[生命エネルギー]がインプットされている

[酵素=エンザイム]とは、生命現象に関わるエネルギーをもった物質とでも表現しておいた方がよいかも知れません。本当のところは、まだ解明されていないのですが、ただの物質でないことだけは確かなようです。まるで充電された物質であるかのように、仕事をしなければならないときには、自動的にスイッチが入り、どこからもエネルギーをもらわずに、自ら有している生物化学的なエネルギーで働いてくれるのです。[生命エネルギー]がすでにインプッ卜されていることが第一の特性です。

2. [生命プログラム]がインプットされている

工場に材料が搬入されると、そこの職人技術者たちが進んで製品を作るがごとく、対応すべき物質を発見すると、[酵素=エンザイム]は、すぐさま自らに命ぜられている仕事を黙々とこなしていきます。分子をあつかうことにかけては、地上のあらゆるものよりも効率的な能力を発揮します。バイオケミカル(生物化学)反応は大きく分けて、古くなった細胞を壊そうと働く分解系の酵素と、新しい細胞を作ろうと働く合成系の酵素に分けられますが、まるでICチップが内蔵されているかのように、[生命プログラム]がインプッ卜されており、それが第二の特性です。しかし、一種類の[酵素=工ンザイム]には、一種類、もしくは、わすかの仕事しかプログラムされておりません。そのために、生命活動全体を支えるには、何千種類という[酵素=エンザイム]が必要となるのです。

3.[生命を生み出す物質]であり、[生命現象に必要な物質]を生成する

ものを考えたり、運動したり、眠ったり、呼吸したり、 怒ったり、泣いたり、あるいは、ものを消化したり、ホlレモンを働かせたり、血液を作ったり、細胞の成長を促したりするのも、全てことごとく酵素が中心となって働いた結果なのです。「あらゆる生命現象は、酵素反応というバイオケミカル(生物化学)反応があるからこそ生み出される」といっても、決して過言ではありません。正に[酵素=エンザイム]は、[生命を生み出す物質]に他なりません。 また同時に、反応によって生成される物質は、生命現象と深く関わりあっており、[生命現象に必要な物質] なのです。それが第三の特徴です。

 

酵素の大きさ
●[酵素=エンザイム]はタンパク質の一種であり、タンパク質はアミノ酸の連鎖で構成されています。
●[酵素=エンザイム]は、アミノ酸のおよそ100倍~2万倍の大きさを持っています。

※アミノ酸の大きさとの比較
アミノ酸分子量:平均110~120(およそ最低75~最高204)
タンパク質分子量(酵素=エンザイムも同様):数万~数百万(およそ100個~20000個ほどのアミノ酸が連鎖

酵素の温度
人体の各酵素は体温37℃付近で活性するようにプログラムされています。かなりの低温域や高温域で生息する微生物には、それぞれの温度域でも失活したりタンパク質変性が起こらない固有の酵素が存在しています。一般的に「60℃で壊れる」という定説は、微生物の殺菌温度と合致しているからですが、現実には、酵素の種類によっては、もっと低い温度でも使いものにならなくなったり、高温でも破壊されない酵素も存在しています。

酵素の由来
酵素(エンザイム=Enzyme)とは、ギリシャ語で、「酵母(ザイム=zyme)」の「中にある(エン=en)もの」を意味しています。
つまり、酵母の中で、様々な生命の活動を行っている物質が発見されたので、そう名づけられました。その際、「酵母」はあくまでも生きている生命体=微生物であり、「酵母」は生きていること=「生命活動」を作り出している不思議な物質ということになります。

酵素の組成
炭素・水素・窒素・酸素の原子が集まって作る炭素化合物がアミノ酸です。基本的には、アミノ基とカルボキシル基という原子団を構成し、それが結合した形で作られています。取り込まれている原子の種類などによって約300種ほどのアミノ酸が存在しています。そのうち20種を人体が使用しています。このアミノ酸の分子がおよそ100以上集まり、ネックレスをねじったもののように複雑につながりあってできたものがタンパク質です。種類の違うアミノ酸の組み合わせで、様々なタンパク質が構成されています。筋肉ももちろんそうですが、コラーゲンも、ある種のホルモンもタンパク質でできています。すべての酵素もタンパク質です。

酵素の分類
酵素類を大別すると、「分解系酵素」と「合成系酵素」の二種類に分けられます。例えば、タンパク質を吸収できる大きさのアミノ酸にまで分解するのは、分解系の酵素であり、吸収したアミノ酸で、自分の身体に必要なタンパク質を合成するのは、合成系の酵素によるものです。生化学的には酸化還元酵素・転移酵素・加水分解酵素・脱離酵素・異性化酵素・合成酵素の六種類に分類されています。

 

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食由来酵素と体内生成酵素の分別と連携

「食物酵素」と「腸内微生物酵素」は、共に「食」に由来しますので、大枠で[食由来酵素]としてくくることができます。 「消化酵素」と「代謝酵素」は、共に体内で生成されますので、大枠で[体内生成酵素]としてくくることができます。 人体には、「消化・吸収」という過程があり、このフィルターを通り抜けなければ、食べ物は栄養成分として摂り込めません。この腸管から「消化・吸収」される前までの過程は、本来の意味からは「身体の中の外」となります。腸管から「消化・吸収」されてはじめて血液に入り、正式に「身体の中の内」となります。

分別する必要性

[酵素=エンザイム]は、アミノ酸が何百個もつながっている分子構造の大きなタンパク質なので、腸管を通り抜けることはできません。基本的に腸管を通り抜け吸収できるサイズは、アミノ酸が1~3個なので、 「食由来酵素」も一度はアミノ酸にまで分解される必要 があります。ここで重要なことは、この「食由来酵素j と「体内生成酵素」とを、決して同一視してはいけないということです。
この二つを混同してしまうと、[酵素 =エンザイム]の基本が理解できなくなってしまいます。
分別する必要性のもう一つの大きな理由は、免疫反応と関係するタンパク質の特性にもあります。生物にとっては、「食由来酵素」は「自分の身体の中のタンパク質ではない=非自己タンパク質」で作られており、 「体内生成酵素」は「自分の身体の中のタンパク質=自己タンパク質」で作られているからです。この二つは免疫学上決して混同できませんので、まずは分別する必要性があるのです。

連係していることの重要性

「食由来酵素」の働き(=バイオケミカル反応)によって生成された成分は、腸管からも吸収され、やがて「体内生成酵素」に引き渡されていきます。「食由来酵素」自体も、アミノ酸にまで分解され、同様に吸収されて栄養成分として利用されていきます。「食由来酵素」と「体内生成 酵素」は、「腸管」フィルターを通じて深くつながりあっていますので、「食由来酵素」利用度の減少という影響は、 「体内生成酵素」の浪費につながり、その保有量の減少につながる可能性があるのです。その全てのツケは、代謝機能の衰えとして体内環境に回されてしまうことになってしまいます。

 

 
腸について 腸は精密なセンサーとフィルターを持つ!

[腸]は、単に食べ物を消化して吸収しているだけの単純なチューブでは決してありません。どんなに優れたコンピューターを駆使しても、足元にも及ばないほどの精妙で複雑極まりない仕事を、人知れず黙々とこなしているのが、[腸]という器官なのです。 [腸]の中の内容物には、生命を維持する上で必要なものもありますが、逆に、健康を損なうものや、生命を危険にさらすものまで含まれています。その入り混 じった内容物の中からミクロやナノの大きさまでを見分け、身体に不要で危険なものだけを排除し、必要なものだけを吸収できる分子サイズまでに小さく消化 し、吸収しているのが〔腸〕の働きです。この働きをおこなっているのが、精密なセンサーとフィルター機能が付いている微絨毛をはじめとする腸粘膜組織です。ここを通り抜けてはじめて、栄養成分は血液に摂り込まれます。

 

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食由来酵素の役割

食物酵素と腸内微生物酵素の重要性

食物酵素について・・・・・・[生の原料や発酵食などがもっている酵素]

食材の中で、生命現象に伴う「分解・合成」反応を指揮しているのが食物酵素です。つまり、食物酵素の存在は、 食材のなかの生命の豊かさを物語るものでもあるのです。

[生の原料]

包食物酵素の働きで、細胞を自己分解し低分子化する
ダイコンやニンジンなど生の原料は、自分の細胞を壊す分解酵素をすでにもっています。体内の消化酵素のみに依存しなくとも、食物酵素の働きによ り、大きな分子から小さな分子に分解されていき、それに伴い次第に性質も変化します。それまで腸管フィルターから通り抜けられなかったサイズのものが、通り抜けられるサイズのものになっていきますので、吸収率も格段とアップし、結果として人体の消化酵素は節約されます。

食物酵素の働きで、細胞の栄養成分が合成される
酵素が失活しない限り、細胞に対しては生命活動に伴った栄養成分の合成も行われています。その成分は、使用されなければ細胞に吸収され蓄積されていきます。越冬野菜や保存食材において、失われる成分がある一方で、旨味や栄養成分が増すことがあるのはそのためです。食物酵素は、原料食材の栄養成分のコンダクターであり、その価値を左右できるキーマンに他なりません。

 

[発酵食]

発酵微生物が創造する食材変化
食材と人間との関係の間に、極小の生き物=微生物が介在しているのが発酵の世界。食材を直接食べているのは、人間ではなく微生物なのです。そして、彼らの活動とともに生成される「代謝産物」や 「菌体成分」の蓄積などにより、食材に総体的変化がもたらされることになります。

発酵微生物がもつ[酵素=工ンザイム]の反応系
食材変化とは、微生物がもっている各種の「酵素」という物質がもたらしてくれる化学的変化です。食材と微生物のもつ「分解系酵素」が、タンパク質や脂肪や炭水化物などを分解して、高分子有機物から低分子有機物に変化、さらに、「合成系酵素」が低分子化された物質同士を合成するなどして、微生物たちに必要な栄養成分を生産します。また、そうした代謝により、微生物たちには不要でも人間には有用な物質などを排出してくれるのです。有機物の分子構造を、より小さいものへと変化させ、その微生物でなければ造りだすことのできない、貴重な物質も生産 してくれるのが発酵の世界です。

 

発酵食は消化・吸収に優れ、体内をクリーン化する有用成分が豊富
発酵微生物の増殖時は、生命活動が活発になることから、活性酸素と対抗して非常に多くの抗酸化物質の生成が行われています。様々な発酵食に抗酸化物質が多く含まれていると言われるのはそのためです。また、敵となる他の微生物と闘い、生存競争に必要な「抗菌物質」など生理活性物質類も生成します。さらに、何億年というサバイバルを勝ち残ってきた彼らの菌体成分などは、「免疫活性物質」としての優れた性質などをもち合わせているために、医学的にも大変注目されています。食材が分解されて、消化・吸収の良い状態になっている発酵食は正に「命から命に」無駄なく引き継がれていくための、すばらしい生命受け渡しの世界を創り出してくれています。

発酵食は善玉菌を支援して腸内環境を整える
善玉菌と悪玉菌のバランスを考え、双方の菌がきちんと働けるように腸内環境を整えることが、健康のために大切なことだと言われています。それだけに、善玉菌を支援し腸内環境を整えることのできる発酵食を、積極的に摂取していくことは大変意味があります。また、発酵食には、その間違いない安全性も存在しています。伝統があるということは、それだけで人体にとっての安全性のテストをクリアしているといっても良いでしょう。無菌世界を作りだすための化学物質より、共存共栄できる極小の生き物=微生物と暮らせる世界の方が、はるかに安全で平和な世界であることは間違いありません。

腸内微生物酵素について

[分解・合成の促進]

腸の中でおよそ三千種類もの大量の「酵素」を生成しているのが実は腸内細菌で、そのなかには私たちの細胞では生成できない「酵素」もあります。腸内細菌は、自分のために自らの酵素を使って食べ物を分解し、自分に必要な栄養成分の合成も行っています。腸内微生物の活動は、彼らのもつ酵素の働きにより、人間の消化・ 吸収の手助けをしてくれると同時に、彼らにしか作れない人間に必要な栄養成分などを生成し提供してくれているのです。有益な物質を生成する「酵素」を生み出す腸内細菌は、一般的に「善玉菌」と呼ばれていますが、間違いなく彼らは、健康に生きていくために必要不可欠なパートナーに他なりません。

 

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体内生成酵素の役割

体内生成酵素は、すべて自己タンパク質

一般的によく誤解されていることですが、「代謝酵素を体外から摂取できるのではないか」と考えることは、サイエンス上明らかな間違いです。食由来酵素は、体内生成酵素である[代謝酵素]の応援物質を生産することができますが、その代用を勤めることはできません。すでに前記されていますように、第一の理由は、食由来酵素が大き過ぎて腸管から吸収されることはなく、一度はアミノ酸まで分解されてしまうためで、第二の理由は、免疫学的に厳格に識別されているからです。

あくまでも、自分の身体のタンパク質は、自分の遺伝子のサインが書かれてある「自己」タンパク質でなければならず、[酵素=エンザイム]といえども例外ではありません。遺伝子のサインが「非自己」である場合は、たとえ腸管吸収されたとしても、免疫細胞が侵入者と見なして攻撃を仕掛けてきます…。

消化酵素について

消化・吸収
消化とは読んで字のごとし、消えて化けると書きますが、分解酵素の働きにより、腸管吸収できない大きな分子成分を、低分子化させることで、人体に必要な有用成分に変化させるという機能をもっています。元来 このプロセスは、食物酵素・腸内微生物酵素と、体内から分泌される消化酵素との、共同事業に他なりませんでした。それが、分泌の消化酵素のみにゆだねられてしまうと、様々な不都合が生じてきます。

消化酵素の機能
消化酵素は紛れもなく「主な消化の担い手」に他なりませんが、しかし仮に、体内の酵素節約のために「消化酵素剤さえ飲めば・・・・・」と考えている人がいたとしたなら、それは大きな間違いです。食由来酵素の利用と、消化薬を飲むこととは、決してイコールではありません。

例えば、ダイコンのジアスターゼは、体内から分泌される消化酵素アミラーゼと同じ働きをし、炭水化物を分解するときの代用機能を十分に発揮してくれます。その分だけ体内の酵素節約になりますが、決してそれだけではなく、ダイコンの生命を丸ごと抱えて、そのダイコンが作り出してくれた栄養成分を無駄なく摂取できることになるのです。単一の消化酵素を利用することと、自然の丸ごとをいただくこととは、決して一緒にはならないのは自明の理。

消化薬への過度な依存や、消化酵素への過度の負担は、腸内環境のアンバランスを招き、体内生成酵素全体にも影響を与えて、代謝を悪くしてしまう要因となります。やはり食由来酵素を利用していく方が、賢い選択肢となるようです。

 

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代謝酵素について

まったく同じ薬を飲んでも、人によってその効き方がまちまちなのは、そこに関与する酵素の質や量にバラツキがあるためでした。多くの薬物の体内での吸収・代謝・分布・排泄に、代謝酵素が関与していることが分かってきたのです。 小腸や肝臓に存在する解毒に関わる薬物代謝酵素P450(CYP)はその代表的な一例です。
(注)薬物代謝酵素とは、薬物(多くは油に溶けやすい脂溶性)を水に溶けやすい形へと変換し、体外へ排泄しやすくします。薬物の代謝酵素として代表的なものがP450(CYP)です。
人間の体内には何千種類、量にすると何十兆の酵素が存在していると言われていますが、その大半を占めているのは代謝酵素。栄養を細胞に届けて毒素を汗や尿の中に排出したり、体の悪い部分を修復して病気を治したり、危険回避システムである免疫力を高めたりする、すべての機能の主役を代謝酵素は担っています。

酵素Q&A

「酵素」と美容・健康について多くの情報が流れていますが、酵素と人間の食生活や身体へのかかわりについて、本当に正しく理解されていないケースもあるようです。
「酵素Q&A」で、酵素への理解を深め、生活のなかに賢く酵素を取り入れていきましょう。
(あらためて明らかにされる「酵素」の真実Q&A~健康の輪 2012年 21号より)

Q1.発酵と酵素には、どんな関係があるのですか?

A.ご存じのように、世界各国で愛されているワインも、発酵でつくられるものです。 
 その長い歴史のなかで、はじめにアルコールをつくる微生物「酵母」が発見され、さらにその酵母のなかから、アルコールを生成するための基本的な物質である「酵素」という、タンパク質の1種が見つけられました。

 大高酵素の植物エキス発酵飲料の場合も、酵母がもっているインベルターゼという酵素が、糖を分解して発酵現象を促進していきます。
「発酵」という現象の主役は、もちろん発酵に関係する「微生物」です。
でも、じつは、たくさんの植物や微生物の細胞のなかにある、「酵素」という特殊な物質であるタンパク質が、その「影の主役」を担っているのです。
つまり、「酵素」がもたらす有機化学反応があるからこそ、有機物の分解や合成が促進されて、「発酵」という営みがつくり出されていくのです。

 

Q2.酵素は、どのように誤解されているのですか?

A.ちまたにあふれる健康情報では、「酵素のある食べ物をとりましょう」とうたわれ、「酵素をとらなければ健康になれません」と説かれています。
 その意図するところはあながち的はずれとまではいえないのですが、結論は少しばかりおかしなところに迷い込んでしまっています。
 いうまでもなく、「酵素を含んだ食べ物」を取り入れることは、食生活上とても大切なことです。
 健康を考えるうえで、「酵素の働き」を利用することは、欠くことができないものです。
 しかし、「酵素」という物質は、ある食材そのものや他の食材との関係、あるいはそれらと腸内環境とのかかわりのなかで、はじめてその力を発揮するものです。
 したがって、それらとの関係性がない、孤立したところでは、その意味や価値を失ってしまいます。
 つまり食生活においては、「酵素」という物質だけを集めて、それを単独で摂取するようなことは、あまり意味をなさないことになります。(例外として、消化酵素製剤があり、これは、あくまでも医療に使われるものであり、薬学的な別枠の問題として考えられます)。
 大高酵素は、創業時から「酵素」の重要性を提言してきましたが、近年の情報の混乱ぶりには見過ごせないものがあると考えています。
 そこで、この機会に、そうした混迷のおおもとを明らかにし、大切なことを整理していくために、少しでもご協力できたらと考えています。

Q3.食生活において酵素が欠かせない理由を教えてください。

A.次の3つの観点から、酵素はとても重要なものであることが理解されるかと思います。

1.「身体の消化酵素」という観点から

 食べ物を取り入れても、エネルギーや栄養成分として利用されるまでには、「消化」と「吸収」というサイクルが不可欠です。そのときに重要な働きをするのが酵素です。
たとえば、ごはんの消化に役立つアミラーゼという酵素があります。これは、ごはんの主成分であるデンプンを分解する酵素の1つです。

 このような、私たちの体内でつくられ、胃や腸のなかで分泌されて効果を発揮するタイプの消化酵素がなければ、エネルギーも栄養も摂取することはできません。

2.「食材細胞の酵素」という観点から

 食生活のなかでは、食材じたいがもっている酵素の働きを利用して、食べ物として取り入れたものを分解していることは忘れてはいけません。
たとえば、新鮮な生野菜は、それじたいが生きているために、たくさんの酵素をもっていて、自分の細胞をみずから壊す分解酵素も内包しています。

 さらに、ほかの食品に含まれるタンパク質や脂質、デンプン質を分解する酵素をもっている植物もあり、食生活のなかでは有効に利用されています。よく知られた例でいえば、大根が持っている酵素にジアスターゼというものがあります。じつはこれ、前述したアミラーゼと同じものなのです。分解酵素としての機能はほとんど同じですが、アミラーゼは体内で分泌されたものであり、一方のジアスターゼは大根の細胞が持っているもので、口から摂取されるものです。
それらは口に入れてから腸管を進むあいだじゅうに作用して、消化・吸収を促進して生命活動をサポートしてくれるものです。

3.「微生物細胞の酵素」という観点から

 発酵食品のなかの微生物や腸内の微生物も、それぞれの細胞のなかに酵素をもっていて、それらの働きは食生活のなかで大いに利用されています。

 こうした微生物たちも、発酵食や腸内という環境のもとで生きていくためには、ここから「食べもの」となるものを摂取していかなければなりません。自分自身の酵素を利用して、食べ物に含まれている有機物質の「分解」と「合成」を行いながら、みずからの生命を維持するための営みを行っているのです。その結果として、ヒトが必要とする微量な栄養成分を作り出し、それらを提供してくれているのです。

以上の3つの観点をまとめると・・・

 このように、酵素は消化・吸収だけに関与しているわけではありません。
分解と合成によって、命ある食材すべての栄養成分をつくり出しているのも酵素にほかならないのです。
食物を口から入れてそしゃくし、腸管のなかを通していくあいだに、こうしたあらゆる食に関係する酵素の働きを総動員して、はじめて私たちは、食べ物の成分を自分の体内に吸収できます。「食」にかかわるすべての酵素の働きの利用がなければ、栄養成分の選択的な吸収は効率よく行われないのです。 

Q4.食材の酵素は身体に吸収されますか?

A.「食材の酵素が体内に吸収されて体内酵素として働く」かのようなイメージは、誤解や錯覚に基づく、いわば「都市伝説」のようなものです。

 アンサーとしては、NOです。
まちがった情報をうのみにしていると、健康被害をもたらすおそれもありますので、気をつけなければなりません。食材のもっている酵素類は、調理の過程で使われたり壊れたりするものですし、酸性の強いところでは活性が失われ、胃酸でほとんどが破壊されてしまうものです。

 仮に、腸まで通り抜けても、大きすぎて腸管から吸収されることはありません。
万が一、吸収されてしまうと、「異種タンパク」として認識され、ヒトの体にある免疫細胞に攻撃されてしまいます。
たとえば、自分の消化酵素としてのアミラーゼは、あくまでも自己タンパクです。したがって、大根に含まれるアミラーゼ(=ジアスターゼ)は、異種タンパクということになります。
自分の体が作り出した消化酵素によってアレルギー反応は起きませんが、もし大根の酵素が血管から直接侵入してしまうと、アレルギー反応が起きるという構図があることを忘れてはいけないのです。
結論としましては、体内に吸収されることもなく、その意味も必要もなく、また、そのままでは吸収されてはいけないものなのです。

Q5.食材の酵素は、どこに働くのですか?

A.サイエンスとして基本的にいえることは、酵素自体は体内に吸収されることはないということです。

 体内に吸収されるものは、あくまでも酵素反応によって生成された物質のほうだけなのです。アンサーとしては、食材の酵素は食材に働くということになります。

 より重要なのは、食材じしんのもつ酵素が、食材みずからの栄養成分の分解と合成を行ってくれるということです。
生命のシステムとしては、酵素の働きの結果が得られて、それを摂取できればそれでいいのです。もし、こうした一連の酵素の働きがなければ、ヒトが消化・吸収できる栄養源は何もなくなってしまいます。

 食に由来する酵素は、すべて食材に反応させて利用することではじめてメリットが生まれるのです。
酵素反応の結果として、生成された物質は、生命現象に由来するものであるために、とても役に立つものが多く、これらが体内に取り込めるものとなっているのです。

Q6.食材の酵素が、直接身体に働くことはないのですか?

A.食材に含まれる酵素というタンパク物質それじたいが、直接ヒトの生体に何かをしてくれるということは、ある例外を除いては、ほとんどありません。 

 逆に、タンパク質や脂質を溶かしてしまうことで実害が及ぶこともあり、注意が必要です。
ただし、一部では有効利用されている場合もあります。

 たとえば、皮膚の角質層を分解してツルツルにしてくれたり、粘膜の炎症を鎮めたりしてくれる場合もあり、実際に化粧品や薬剤には応用されています。
 しかし、それはあくまでも「体外」である皮膚や、咽頭・胃腸などの粘膜までであり、その境界を越えて浸透・吸収されることはありません。
もし境界線を越えた場合は、異種タンパクでもあるため、ヒトの体にある免疫細胞からの攻撃を受けてしまいます。

Q7.食生活のなかの酵素の働きは健康にどんな影響を与えますか?

A.野生動物は、食べ物を生のまま取り込みます。あたりまえのことですが、「調理」や「料理」をしたものはありません。
 基本的にそしゃくと、食材じたいがもつ酵素や、体内から分泌される分解酵素によって消化・吸収が行われています。
一方、人間は雑食性なので、何らかの方法で調整が必要な食材も多々あります。そうしなければ、栄養成分を効率的に体内へ摂取ができなくなるため、調理や料理という「知恵」となって引き継がれているのです。

 しかし人間は、酵素の働きを生かす食べ物によって、この野生の「食」のあり方と、かろうじてつながることができるのです。食物じたいがもつ酵素や、ヒトの消化酵素が不足している場合は、生命維持に必須な栄養成分の消化吸収が不足してくることになります。

 そのため、身体の細胞は基本的に栄養失調障害になっていくと考えられます。前述した「食」に関するすべての酵素の働きを、体内酵素の働きでカバーすることなどは不可能なことです。具体的には、酵素を利用する食生活がなくなると、腸内環境からの悪循環が始まることが予測されます。

 なぜなら、腸内にすむ有用微生物が喜ぶ「食べ物」を失っていくことにもなり、彼らを守り育てることが困難になっていくからです。腸内微生物の良好なバランスがあって、はじめて腸粘膜やその他の環境も健全なものに育っていきます。「逆もまた真なり」で、腸粘膜などの腸内環境要因が悪いと、さらに有用な腸内微生物がすみにくくなってしまいます。

 この2つの関係は切っても切れない関係にあります。
発酵のメカニズムもそうですが、大腸のなかも1種の「発酵の場」と考えれば、酵素の働きが不足した場合に、何が起こるかということは、容易に予測されることです。やはり「生命のつながりあるもの」、つまりは「酵素の働きのあるもの」が、何よりも必要されているのです。

Q8.酵素の働きを利用している食べ物は、なぜ腸内環境によいのですか?

A.酵素の働きによって生成される発酵代謝産物は、直接的に腸内環境を変えて、同時に、有用菌に対する必要な成分を提供してくれます。

 具体的な例をあげてみましょう。

大高酵素の植物エキス発酵飲料のなかには、数種のオリゴ糖が含まれています。それらを他の大腸菌が食べることはできませんが、ビフィズス菌には格好のエサとなります。
つまり、有用菌の増殖因子になっていると考えられます。こうしたさまざまな機能をもった、新たな糖類が発見されています。

 大高酵素の植物エキス発酵飲料には、世界で初めて発見されたオリゴ糖も含まれていて、すでに特許を取得しています。さらに、アンチェイジングにも効果があるとされる「抗酸化ポリフェノール」の1種であるコーヒー酸やクロロゲン酸、プロトカテク酸やチロソールなどが含まれていることも明らかになっています。

 こうした「バイオフェノール類」と呼ばれる成分が、抗酸化力や免疫力を高めることで相乗的に働き、腸内環境に好影響を与えていることも考えられます。

 腸管は、ヒトの生命を維持するために必要な栄養成分の吸収口です。このけなげな臓器は、身体に害になる成分や病原菌の侵入という「リスク」をできるだけ排除して、「メリット」のみを取り入れようと一生懸命です。腸内微生物のバランスが悪い方向に傾いて汚染された状態ではリスクだらけで、メリットを探し出すのにも苦労してしまいます。

 逆に、有用菌が優勢なバランスのなかでは、リスクが少なくメリットを容易に見つけることができます。腸内環境が健全である時の「仕事」のほうが、圧倒的に効率がよいことは自明の理です。酵素の働きを利用した「食」は、腸内環境を整えることによって、リスクマネージメントを行っているといっても過言ではありません。

Q9.「酵素飲料」に酵素は含まれているのですか?

A.植物エキス発酵飲料は、一般的に「酵素飲料」と呼ばれることが多いと思います。そのために、「酵素が含まれている飲料」という大きな誤解が生まれています。

 大高酵素飲料に含まれているのは、物質としての「酵素」そのものではありません。あくまでも、酵素によってつくられるものが、豊富に含まれていることが重要なのです。

 酵素という物質だけを集めて、単独で口から摂取することは、食生活にとって何のメリットもありません。なぜなら、あくまでも酵素が食材に対して働きかけることで、意味ある物質が生み出されていくからです。大高酵素飲料の最終製品である植物エキス発酵飲料は、こうした考えのもとで、根拠ある実践から生まれているものなのです。


「酵素」の真実を知って、健康の未来を開こう!

 健康のためと考えて、多くの方々が「酵素」そのものを体内に取り込もうと必死だったのではないかと思われます。しかし、そうした情報のなかの、ある部分は正しくても、ある部分は根も葉もないものだったということが、少しでもおわかりいただけたのではないでしょうか。
 また、「発酵」とは、生命現象にかかわる物質が豊かに生成され、「食」として引き渡されていく過程そのもののようです。その際、「発酵」と「酵素」の結びつきについても、あらためてご理解いただけたのではないでしょうか。
 いずれにしましても、酵素の正しい認識が、これからの酵素と健康の関係を、より正しいものに導き、より効果的な世界へと連れていってくれることになると思います。

《出典》
大高酵素株式会社資料「なぜ身体のためになるのですか?」
酵素健康法研究会発行「健康の輪」

 

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